2021年も年の瀬が迫り、1年の締めくくりの時期ですね。会社によっては、今年も年間MVPの表彰をする会社もあるかもしれません。
表彰式を華やかに演出することで、多くの社員の心を動かし、「自分もあの場に立ちたい」「あの人のようになりたい」という意欲をかき立て、組織力の強化に繋げることが出来ます。

今回は、そんな華やかな演出の表彰式によって、組織力強化に成功した事例を、過去にマックスプロデュースが携わった案件からの中からご紹介したいと思います。

2:6:2の法則を利用して集団全体を強くする

さて、皆さんは2:6:2の法則という言葉を聞いたことがあるでしょうか？

2:6:2の法則とは、会社のような組織において、優秀な働きをする上位2割、いたって標準な中間層6割、残念ながら優秀とも標準とも言い難い下位2割、に分かれてしまうことを指します。

これは、どの組織にも言えることで、その下位の人間2割を切り捨てようと考える経営者も中にはいるでしょうが、例え彼らを切り捨てたところで、また中間層から下位の2割が生まれてしまい、根本的な解決策になることはないのです。
そして、上位2割に関して言えば、生まれ持った才能やセンス、今いる場所が本人に向いているか向いていないか、といった部分が大きく、育成することはなかなか難しいと言えるでしょう。

ですが、中間層の6割を強くすることに重点を置けば、下位の2割が危機感を感じ、能力が底上げされる可能性を秘めていますし、もちろん上位2割に良い刺激を与えることもでき、会社全体でよりいっそう高みを目指すことが可能になります。
そう考えると、大部分を占める標準層の中間6割をいかに強くするか、それを考えた方が得策だとは思いませんか？

「なりたい」「やりたい」「言われたい」という欲求を刺激する

表彰式で組織力が強化できるという点は、先に述べたとおりですが、具体的には、表彰式を華やかに演出することで、2:6:2の法則でいう、6の社員たちの心を揺さぶることが重要になります。

この中間層には「積極的に行動しようと思わないタイプ」と「行動したくてもどうすれば良いのか分からないタイプ」の2種類の人間が含まれると言います。
そこで、この層への適切なアプローチとして、目標となる存在や、そこに到達するための手段を具体的に与えることが挙げられます。

それにより「なりたい(憧れ)」「やりたい(行動)」「言われたい(賞賛)」という3つの欲求を刺激、社員一人一人の熱量が伝播、自ら考え、行動を起こすことが出来るようになるのです。結果、それが組織力強化に繋がります。

ここで実際に、過去の事例を見てみましょう。

A社(社員総会・表彰式)事例

ハイブリット型社員総会として、表彰にノミネートされた社員のみがメイン会場となるホテルに参加、それ以外の社員はリモート視聴という形式での開催でした。

リモートではなかなか会場の熱量が伝わりにくいという面がありますが、ここではそのデメリットを逆に生かし、会場参加の社員にはドレスアップをしてもらい、場内エントリーにはレッドカーペットを設置するなど、世界三大映画祭としても有名な「アカデミー賞」を意識した演出を随所にちりばめました。

その華やかで輝かしい演出が功を奏し、リモート視聴者の「次は自分もあの場に立ちたい」「自分も賞賛されたい」そういった欲求を刺激し、モチベーション向上に繋げることが出来ました。

A社のこの事例は、まさにアカデミー賞という世界的にも有名で、名誉ある輝かしい舞台を意識することにより「憧れ」を作り出すことに成功し「なりたい」という願望を強く刺激することができたパターンだと言えるでしょう。

人間は誰しも、誰かに憧れを抱き、その人に近づきたいという気持ちや、認められたい、褒められたいという「承認欲求」を少なからず持っているものです。

それが、前述した「なりたい(憧れ)」「やりたい(行動)」「言われたい(賞賛)」という3つの欲求であり、そこに強く訴えかけ、心にインパクトを与えるのが、社員総会の役割だと言えるでしょう。

表彰式で組織力強化ーポイントは華やかな演出ー

人間のモチベーションは、外発的動機づけよりも内発的動機づけのほうが強い力を持っています。
「なりたい(憧れ)」「やりたい(行動)」「言われたい(賞賛)」はすべて内発的動機づけです。
とはいえ、内発的動機づけは、最終的に本人の意思によるものなので、いきなり形成することは難しいでしょう。

しかし、華やかな演出で、心に強く印象付けるような表彰式を行うことにより、そのきっかけを作り、徐々にエンゲージメントを高めていくことは出来るのです。
そして、どうすれば輝かしい舞台に立つことが出来るのか、そのメソッドを社員一人一人に広めていきましょう。
きっと、それらの仕掛けが皆さんの会社を強くしていくことだと思います。