イベントはどんな状況でも開催できる!
- 石崎:
- この一年半ほどは新型コロナの影響もあり、感染防止のためリアルイベントを避け、オンラインイベントをするしかない状況でしたね。
- 桑原:
- そうですね。制限がある中で最大限良いものを作ろうとしてきたので、たくさんの工夫をしてきましたし、それを元に発展した表現や選択肢が生まれたと思います。
- 石崎:
- ではその、広がった選択肢について具体的に聞かせてください。
まず、フルオンラインのイベントの良いところを聞いても良いですか?
- 桑原:
-
分かりやすいところで言えば、安いという点です。
非常にコンパクトな会場でできますので。会場費が削減できます。
それから、人の密が避けられるので、感染対策としても効果が期待できると思いますね。
- 石崎:
- 逆に、オンラインだと足りないと感じる部分もありますか?
- 桑原:
- 画面を外れた所での空気感が、リアルイベントとは違ってきますね。
“生の空気感”を画面を超えて届けるという点においては、我々制作側からすると少しむず痒く思うことがあります。
- 石崎:
- 演者さんにとっての気持ちの作り方にも差が出てきますか?
- 桑原:
- そうですね。お客さんがいないのがやりづらいと思う人もいれば、やりやすい人もいるでしょうし、色々だとは思いますが。壇上に上がる方にとっては大きな違いだと思います。
人と人とが触発し合う場を作るためにイベントを行っていた人たちからすれば、オンラインという形態はちょっと物足りないかもしれませんね。
- 石崎:
- オンラインが苦手な表現ってなんでしょうか?
- 桑原:
- 歓声や拍手ですね。どれだけ良い演出をしても映像を流しても、それが伝わったかどうかがわからない。参加者のほとばしる歓声とか、熱とか。そういったものは実現できませんね。
- 石崎:
- びっくりした時の「おお~っ」という声とかもですね。
- 桑原:
- 笑い声や涙とか、そういった、人が持っている感情がオンラインの会場には無いので。伝わったのか伝わってないのか……もちろん、伝わっていると信じてやっていますけども。そういった手応えですね。
費用さえあれば3Dとか立体の表現はできますが、バリエーション自体はあまり種類はないのかなと思います。
- 石崎:
- テクノロジーはあくまで手段ですからね。
- 桑原:
-
みんなで表彰見てみんなでドキドキして…っていう時に生まれている熱がね。スタジオで3D技術を用いた配信をしても、お金かけてるなぁ…!とは思いますが。(笑) ここがオンラインの弱点かなと思います。
ハイブリッド(掛け合わせ)のよさ
- 石崎:
- ハイブリッドイベントの可能性/効果について聞きたいです。
- 桑原:
- オンラインと違ってハイブリッドはある程度人を入れるわけです。
すると、じゃあ誰を呼ぶか? という話になりますよね。誰を招待するかという所に、会社の狙いが生まれてきます。
メイン会場という位置づけができるので、そこで本来イベントで生み出したかった「感情の揺さぶり」ができる。そして参加された方の感動の様子がそのまま”演出”になりますし、それが配信されて視聴者にも届きます。
その方が会社に戻った後も発信は続けてくれるわけですし、会場に居たからこそつかめる、感じれるものを発信してくれるので、熱量の広がり方が圧倒的に違いますね。
- 石崎:
- そこまでを想定してのイベントですね。
- 桑原:
- やはり、「そこに行きたい」「次は選ばれてメイン会場に行きたい」と思える会場を作れるかどうかが大切ですね。正装したり、芸能人の方が演者として出たり、きらびやかな照明に照らされたり……
そういった場に、例えば同僚は呼ばれたのに自分が呼ばれなかったと言うことで悔しさが生まれたり、次こそ絶対選ばれるぞ、という熱意が生まれ、業績に繋がっていくわけです。
ところがフルオンラインだと、そんな同僚もスマホやパソコンで見てるんだよな~、ぐらいの気持ちになりやすくなってしまう。
- 石崎:
- メイン会場があるからこそ、良くも悪くもフラットなオンラインを活用し、差別化することができるわけですね。
ハイブリッドにおいて気になるポイント
- 石崎:
- ハイブリッドイベント、高いですよね?
- 桑原:
- 今までやっていたリアルイベントを10だとすると、オンラインが5、ハイブリッドだと7…ぐらいのイメージでしょうか。オンラインと比較するとやっぱり高くはなりますが、お話したような効果が狙っていけるので、費用対効果と言うところでは当然かなと思います。
- 石崎:
- リアルイベントよりは安いですね。
- 桑原:
- やっぱり、1000名収容の会場と100名収容の会場では三倍近く変わってきますし、会場が大きいと必要な機材も増えます。一人頭の計算だとリアルイベントで3~4万円、オンラインだと1万円行かないぐらい。ハイブリッドだと2万円ほどと思ってもらうといいのかなーと思います。
- 石崎:
- ハイブリッドにする際の注意点はありますか?
- 桑原:
- 先程述べた「差別化」と少し矛盾してしまいますが、場内にいる人達だけへのメッセージになってしまわないように気をつける必要があります。
「来れない方は心を入れ替えて頑張ってくださいね」のようなメッセージだと「自分は外野なんだな」と言った気持ちの溝ができてしまうだけなので、言葉を慎重に選ぶ必要があります。
- 石崎:
- 自分たちはチームだよっていうことはしっかり伝えていきたいですね
- 桑原:
- 「いま会場にいる人達は、皆さんより少し努力を重ねたことで招待されたわけですが、更にこの中から最優秀賞が決定されます」という事になれば、悔しさも湧きますし、受賞者の涙が映されれば、「なんでこの人は泣いているんだろう、なんで自分は泣けないんだろう。この違いはなんだろう?」と言った疑問が湧き、施策のヒントに繋がっていくわけです。
感情の爆発に必要なのは、「ドラマ」
- 石崎:
- ハイブリッドで登壇している人の感情を爆発させるために心がけていることはありますか?
- 桑原:
- これは会社の事前の取り組みとの連動ですね。その瞬間だけの演出で泣かせたりというのは難しいと思います。その場がどれだけ大事な場なのか、と言うのを常日頃から意識してもらうことが大切ですね。
一度素晴らしい場、イベントを作ればそこが目標になりますし。そこを最大限目指すべきところにするために事前の施策や呼びかけが必要です。
例えば、大変だけどここの努力で一ヶ月後のイベントでMVP取るぞ!って繁忙期の残業に奮闘している人がいるとします。そこに上司が差し入れで缶コーヒーを渡したりなんかして。その人が実際にMVPに選ばれた時、その人はこの残業のことを思い出すでしょうし、涙が流れるかもしれませんね。
- 石崎:
- イベントを意識したことで頑張れただけでなく、感情の爆発にも繋がったと。
- 桑原:
- 例えば上司がくれた缶コーヒーは、間違いなくその人の心に残っているでしょうし、感謝にも繋がるでしょう。こうやって、イベントと言う目標を作り意識させることで、繋がりができたり、色んなドラマが生まれてくるんだろうなと思います。
- 石崎:
- そう言った「ドラマ」をどれだけ拾っていけるかが勝負所ですね。
- 桑原:
- 引っ張る側も頑張る側も、イベントという目標があることで、一丸になれるんです。その中で「俺は新人賞取れなかったからお前には新人賞とって欲しいんだ」といった言葉が出れば一生涯残るでしょうし、賞が取れたら先輩も自分のことのように喜べると思うんです。
逆に、費用を抑えられるからと言って自分たちで作ってイベントの仕上がりをイマイチにしてしまったら、イベントを目標にするというのは難しくなってしまいます。「努力してもこんなもんなのね」と思ってしまったら、頑張るものも頑張れませんよね。
もちろん、お金の制限もあるので豪華にできないこともありますが、最大限作り上げられたステージを用意するのは大事です。賞なんてとってもとらなくてもどっちでもいい、それどころか逆に壇上に上がるの恥ずかしい…ってなってしまうのは悲しいですから。
- 石崎:
- ものすごい逆効果になってしまいますよね。
- 桑原:
- 超逆効果です。お金はかかる、工数もかかる、選ばれるのも恥ずかしい、見てる方もつまらない……なんてあまりにももったいないですよね。
- 石崎:
- では、イベントに興味を持って貰うためにはどうしたらいいんでしょうか?
- 桑原:
- 事前の呼びかけや施策も盛り上がる仕掛けの一つです。ティザーサイト、ティザームービーなどがありますね。前回の表彰シーンをフラッシュバックのようにまとめて、「次はあなただ!」「あの時の思いを忘れない!」のようなメッセージを作り、社内HPやモニター等に流していただいたりします。
あとは、全員投票制の事前施策を行って総会の機運を高めていくと言うような手法をとらせていただいていますね。
- 石崎:
- なるほど。事前の施策にもできることは複数ありますね。ありがとうございました。
まとめ
- フルオンラインは、費用を抑えられ、感染予防対策にも
- ハイブリッドは、コストと効果のバランスが良い
- イベントを成功させるための事前の”仕掛け”のアイディアもお任せください!
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